Netflix『恋は命がけ』日本語字幕と実際の韓国語ニュアンスの違い BEST 5
『恋は命がけ』(Spooky in Love)え、原語ではそんなこと言ってたの!? "名台詞"じゃない、ただのセリフBEST5
Netflixで配信中の韓国ドラマ「恋は命がけ」(韓国原題:오싹한 연애)。幽霊が見えるホテル財閥令嬢と、幽霊を誰よりも怖がる敏腕検事が、触れ合うと不思議な力を発揮するようになり、未解決事件に挑んでいくオカルトラブコメです。パク・ウンビンさん、ヤン・セジョンさん、オン・ソンウさん出演。
字幕でこのドラマを見ている方、多いと思います。私も日本語字幕をつけて見ています。
今回は、字幕でおなじみのあのセリフ5つを取り上げて、「実際の韓国語では何て言っているのか」を、韓国に住む韓国人の視点からこっそり種明かししてみます。一つの見方として、気軽に読んでもらえたら嬉しいです。韓国語のセリフの横にはカタカナ読みもつけています。
①「法で裁く価値もない」← 너 같은 새끼는 법도 아까워(ノ ガットゥン セッキヌン ポプト アッカウォ)

1話、ヨリがガンウクと初めて出会う場面のセリフです。字幕だとちょっと格調高い感じで、「法律ですら裁く価値のない人間」っていう、静かだけど重い脅し文句に聞こえますよね。
でも実際に韓国語で言っているのは「ノ ガットゥン セッキヌン ポプト アッカウォ」。直訳すると「お前みたいな野郎には、法律さえもったいない」。「セッキ」は「野郎」「クズ」みたいな、かなり強い蔑称です。つまり原語は、「法で裁く価値もない」という格調高い字幕からは想像しにくいくらい、もっと口が悪く、感情剥き出しの罵倒だったんです。
「セッキ」って、私の感覚だと中学生・高校生くらいの男の子たちがよく使っているイメージの言葉です。もし韓国に遊びに来て、仲良くなった記念に「親しみを込めて」使おうとする方がいたら……それはやめておいた方がいいです。本当に大変なことになります(笑)。
日本の映画やドラマを見ていると、「アイツもコイツも」みたいな、そこまで強くない表現が、韓国語字幕だと「い セッキド, ジョ セッキド(この野郎もあの野郎も)」って訳されていたりします。「セッキ」という単語、実は文脈によって強さの幅がかなり広くて、状況次第では「あいつ」くらいの軽さで使われることもある、ということなのかもしれません。
②「君とは結婚できない」← 우리 안될거 같아요(ウリ アンデルコ ガタヨ)

1話、ガンウクがヨリに婚約破棄を告げる場面のセリフです。「君とは」って、主語も対象もはっきりした、逃げ場のない言い方に聞こえます。
でも原語は「ウリ アンデルコ ガタヨ」。直訳すると「私たち、ダメだと思います」。韓国語の「ウリ(私たち)」は"二人の関係"を主語にした曖昧な言い方で、字幕の方がむしろ原語よりストレートに変わっているのが意外でした。
実は韓国語の「ウリ」、こういう場面だけじゃなくて、日常のあらゆるところで、幅広い意味で使われています。「私の母だよ」は、韓国語だと普通「ウリ オンマ(私たちのお母さん)」って言うんです。他にも「ウリ ナンピョニ(私たちの夫が)」みたいな言い方も普通に使います。日本語の感覚だと「私たちの夫」ってちょっと変な表現になりますよね。「ウリ」については、また今度もっと詳しく話してみたいと思っています。
③「帰りませんか?」← 퇴근 안 하세요?(テグン アン ハセヨ)

1話、職場でガンウクに部下が声をかける場面のセリフです。ごく自然な日本語の職場会話ですよね。
原語は「テグン アン ハセヨ?」。直訳すると「退勤しないんですか?」。「退勤」という単語、韓国語では友達同士の会話でも「退勤した?」みたいに普通に使われる、すごく日常的な言葉なんです。日本語の「退勤」が勤怠システムとか事務書類でしか見ないような硬い言葉なのとは対照的に、韓国語の「퇴근」は「帰る」感覚に近い、もっとカジュアルな単語だったりします。
④「俺をばい菌扱いしないでください」← 아니 내가 무슨 바이러스도 아니고(アニ ネガ ムスン バイロスド アニゴ)

2話、ガンウクがヨリのホテルに訪ねてきて交わす会話のセリフです。「ばい菌扱い」、日本語だとちょっと子供っぽくて可愛げのある言い方に聞こえますよね。
原語は「アニ ネガ ムスン バイロスド アニゴ」。直訳すると「いや、俺が何もウイルスでもあるまいし」。実は原語では「ばい菌」じゃなくて「ウイルス」って言ってたんです。しかも「〜扱いしないでください」っていう丁寧なお願いの形でもなくて、「ウイルスでもあるまいし」っていう、自分で自分にツッコむような、ちょっと投げやりな言い方でした。字幕の方が、実はかなり可愛らしく・丁寧に翻訳されていたんですね。
⑤「シカトですか」← 그냥 쌩까고 본다?(クニャン センッカゴ ポンダ)

2話、④と同じ場面での一言です。
原語は「クニャン センッカゴ ポンダ?」。直訳に近づけると「もう完全にシカトしてみるってこと?」くらいの、タメ口の砕けた言い方です。丁寧な「〜ですか」じゃなくて、かなり突っかかるようなタメ口だったんです。
「センッカダ」も俗語なので、フォーマルな場や目上の人には使わない方がいい言葉です。親しい相手じゃないと、言われた側が不快に感じることもあるので、使うときは注意が必要です。
以前テレビ番組で、外国人のお嫁さんが、耳が遠いお姑さんに向かって「センッカニャ(無視してるんですか)?」って言っていて、しばらく笑いが止まらなかったことがあります。そのお嫁さんは「知らないふりしないでください」くらいの意味だと思って使っていたみたいなんですが、実際はかなりくだけた・きつめの言葉なので、耳の遠いお年寄りに向かって使うにはちょっと強すぎるんですよね。
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こうして見てみると、字幕だけを追っていたときのイメージと、実際に韓国語で語られていることの間には、結構な差があるんだなと感じました。次にこのドラマを見返すとき、字幕の裏でどんな韓国語が話されているか想像してみると、また違った面白さがあるかもしれません。あくまで韓国に住む一個人の勝手な予想なので、実際はどうなのか、日本の皆さんの感覚もぜひコメントで教えてください。
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